何故? version1



幾度も、幾度も、携帯電話を確認する。着信履歴を確かめる。
貴方からの電話もメールも、ありはしないのに。
もう随分と長い間、会ってない気がするわ。

気付きたくはなかった。だけど、気付いてしまったの。
連絡をするのは、いつも私からだった。誘うのも、私からだけで。
ソレが嫌だっていう訳じゃないの。
ただ、何だか気になって…。

だから、試してみた。電話も、メールも、封印して。
ずっと待っていたのよ。貴方からの連絡を。貴方が誘ってくれるのを。
だけど思った通り。そんな期待は、叶う筈もなくて。
結局は、私から貴方に電話した。


貴方にとって、私って何?
私に会えなくても。私の声が聞けなくても。連絡が取れなくても。
貴方はそれで、平気なの?


幾ら言葉を連ねても、どんなに声を荒げても。
貴方は反論も釈明もせず、ただ黙って聞いているだけ。顔色一つ変えやしない。
ソレが何だか悔しくて。
一方的に、私は貴方に別れを告げた。

あれから、どれ位の時が過ぎたのか。
私はまだ貴方の事を忘れられないでいる。
今更ながら、思い知らされる。
自分が貴方を、どれ程必要としていたのか。

離れて一層、募る想い。
過去にしがみ付いて。断ち切れない想いに引き摺られて。
遣り切れなさに唇を噛む。

何が間違っていたのだろう?
何処でボタンを掛け違えたのだろう?

こんなに、好きなのに…。

 

―― Das Ende. ――



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