誰かを傷つけたと涙を流し 瞳を閉じて何も聞こうとしない愛しい貴方。 その涙つたう頬を覆う私の手は 痩せた身体を抱きしめる私の腕は それ程か弱く冷たいかしら? 私の声が聞こえるならば 目を開けて。 心を開いて。 周りを見て。 ほら。 何も壊れてなど居ないでしょう? 誰かを傷つけることで自ら傷つく貴方に気付いた時 『傷つくなら貴方が良い』 そう願った。 あの日から 貴方のくれる全てのモノがこんなにも愛しい。 解っているの。 この手も腕も 傷つきやすい貴方の心を 守りきることなど出来やしないと。 自らに嘘をつき欺くことで身を守るのが貴方の術ならば 私はその硬い殻に包まれた卵を温め続けよう。 明けぬ夜などない…そう信じて。 匂いたつ華を想う春。 潮風に肌を灼く夏。 鐘の音を聞いた奇跡の秋。 天使の羽根が舞い降りる空を見上げ立ち尽くした冬。 幾年月を夢見た昨日。 全ては貴方と共に。 |