勝手連ヤマト


第25話



西暦2199年。密かにカロンへ接近成功していたヤマト。

島「よし…カロン地表まで、約100km。外側円周を微速で通過します」
相原「逆探知を防ぐ為通信を封止していますが、加藤さん達はどうなったんでしょうか?」
真田「これだけ接近して、敵が出て来ないんだ。囮役には成功したと見るべきだろうな」
雪「無事かどうかは判らないけどね」
古代「雪…。結構キツイ性格してるんだな… (-_-;)
太田「ん…!見て下さい、冥王星の地表に、大規模な基地らしきものが!」

太田の指差した先に、防弾シャッターを下ろした側の冥王星基地が見えた。
⇒続く



2002-05-18 01:49
 



第25話続



遠目にも判る、冥王星基地の威容。
ヤマトはもう、カロンの陰に隠れようという所だったが…

島「…でかいな…さすが冥王星基地。あそこから、遊星爆弾や超大型ミサイルを地球に落として来たのか!?」
真田「しかし、動きがないな。何となく『開店休業風味』と言うか…」
古代「待って下さい!あれは…シェルターが開いているのか!?」

基地はようやく態勢を立て直し、増援の大艦隊が発進準備完了間近だった。
しかし、基地側でもヤマトの存在に気付いたようだ。基地全体の防弾シャッターが開き、巨大なサイロ群が姿を現した。
南部「あれは…超大型ミサイル!?」



2002-05-18 02:22
 



第26話



西暦2199年。臨戦態勢の冥王星ミサイル基地を発見したヤマト。

島「どうします艦長!?カロンはすぐそこです、隠れますか!?」
南部「電波障害はかなり薄らいで来ていますが、先程同様煙突ミサイルを撃つには、やや態勢が不利です。下向きに直角反転しなければ、誘導電波が届きません」
古代「いや見ろ、1発や2発よけても落としても、代わりは何百発とある。地球の為にも先制攻撃であの基地を潰すべきだ!」
沖田「よし…取舵、艦首やや下げ。正面を冥王星基地に向け、逆進・静止せよ」
南部「艦長、主砲を撃つなら横向きの方が…」
沖田「構わん、取舵」



2002-05-19 17:02
 



第27話



西暦2199年。どうやって冥王星基地を潰すのか、ヤマト?

古代「…ターゲットスコープ、オープン!」
南部「シアーロック解除!」
徳川「うぇ、エネルギーバイパス接続ゥ!」
沖田「総員、対ショック・対閃光防御!」

―冥王星基地から、超大型ミサイル数発が発射される―

古代「…波動砲、発射ァ!」

ヤマトの艦首からも、巨大な緑色の光の渦が発射される。それが超大型ミサイルの群れを呑み込むと、ミサイルは順次もんどりうって、冥王星基地へ戻って行く。

島「やったか!」
冥王星の地軸がぶれ、ミサイルサイロや基地施設が次々誘爆する。
そしてミサイルが1発、あらぬ方向へ飛び出した…



2002-05-20 03:47
 



第28話



西暦2199年。逃げろや逃げろのブラックタイガー隊。

幸い、ブラックタイガー機はガミラスの戦闘機や艦艇より多少足が速かったので、差は次第に開きつつあった。しかし、気を抜けばピラニアの水槽に投げ込まれた刺身と同じはずだった。
しかもヤマトが元の場所にいる保証はなく、燃料は底が抜けた様な勢いで減り続けていた。
その時…

相原「(ガッ)…隊…ブラックタイガー隊…こちらヤマト。只今より無線封止解除。本艦、現在カロン外周上・春分点方向にあり。大至急帰投願います。貴隊収容次第、ワープで太陽系を脱出…」
山本「聞いたか加藤!左旋回だ!」
加藤「おう!」
⇒続く



2002-05-20 19:23
 



第28話続



急旋回するブラックタイガー隊。
そして、シュルツ艦隊も基地と通信を試みていた―

シュルツ「む、方向転換したか?やはりカロンの裏に…」
彼らの旗艦は、最後尾から全隊を見渡していた。
ガンツ「司令、一瞬だけ基地との交信が復旧しましたが、すぐに途絶してしまいました。ただ一つ、地球艦がカロンの裏に回り込むのを捕捉したと―」

そこまでだった。
彼らの正面、丁度今までブラックタイガー隊の居た方から、「流れ弾」の超大型ミサイルが突入して来たのだ。

シュルツ「!!」
ミサイルは大群をなすガミラス戦闘機の1機と衝突した。そして航空隊も艦隊も、爆炎に呑まれた。



2002-05-21 03:05
 



第29話



西暦2199年。自軍の超大型ミサイルで、ご都合主義的に壊滅してしまったシュルツ艦隊。 (^^;ゞ
しかし最後尾に居たのが幸いし、旗艦だけは何とか原型を留めていた。

艦内は、応急修理やら負傷者介護やら情報分析やらで大騒ぎだった。
ガンツが通信士官達と混乱したやり取りをしている隙に、シュルツは艦長に耳打ちした。

シュルツ「艦の状態は?」
艦長「はっ…、短距離航行に限っては、多少舵の利きが悪いですが大きな支障ありません。しかし艦体の損傷がひどく、ワープには耐えられないと思われます…それと、兵器関係は全滅です」
シュルツ「そうか…ご苦労」
⇒続く



2002-05-22&10nbsp;19:46
 



第29話続



シュルツは、ガンツが余計な情報を集めない内に彼を呼び止めた。

シュルツ「ガンツ!味方の生き残りはいたか?」
ガンツ「は、ははっ。通信アンテナが吹き飛んでますので、目視観察と爆発直前の配置からの推測ですが…ほぼ絶望です。敵編隊は、恐らく逃げおおせたかと…」
シュルツ「そうか…」
一時、シュルツの目が泳いだ。
ガンツ「それと、敵の通信を一部傍受しました。発信源はカロンの裏手。固有名詞と思われる、『ヤマト』という単語を識別しました」
シュルツ「ふっ…艦名ヤマト、か。だが、本艦の戦闘力は完全に失われた。もう奴とは戦えない」
ガンツ「…無念です…」



2002-05-23 20:10
 



第30話



西暦2199年。腕を垂れうなだれるガンツと、腕を組み天井を見据えるシュルツ。

シュルツ「…ガンツ。アンテナは死んだが、高速救命艇は無事だ。貴様は直ちに本星へ戻り、自ら総統閣下に経緯を御報告申し上げよ」
ガンツ「えっ、司令は!?」
シュルツ「私はこの…冥王星駐留軍、最後の一艦を指揮して…後から帰る。ワープを使う為に数日間、応急修理が必要なのでな」
艦長がチラリと、シュルツを見やった。司令、修理は不可能です。先程の報告通り…。
シュルツ「判ったら、急げ」
ガンツ「ハッ、いずれ生還しても極刑は免れぬでしょうが…又本星でお会い致しましょう」
二人、敬礼。



2002-05-23 20:28
 



第31話



西暦2199年。シュルツ艦から、ガンツの高速艇が離れて行く。
(せめて、貴様は母なるガミラスで死ね)
シュルツはそれを見届けると、艦内マイクを取った。
シュルツ「諸君…。」
艦内が静まり返る。
シュルツ「我々はもう、ガミラスへは帰れない。物理的にも、面子の上でも」
声なき嘆息が、艦内を覆う。
シュルツ「諸君、長いようで短い付き合いだった。これより本艦は、地球艦『ヤマト』に対し…体当たりを敢行する。他に勝つ手はない」
今度は、本当に声が沸いた。
シュルツ「冥王星前線基地の勇士達よ、覚えておきたまえ…我らの前に勇士なく、我らの後に勇士なしだ!」
⇒続く



2002-05-24 19:33
 



第31話続



艦内に、涙を流さぬ者はいなかった。
シュルツ達の艦は、唯一残されたロケットエンジンを驚くべき手際で全開させ、カロンの向こう側へ突進した。



2002-05-24 19:43
 
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